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営業で使える行動心理学

営業領域で注目されているのが、行動心理学・行動経済学です。行動心理学を経済分野で発展させたものが行動経済学と考えると分かりやすいでしょう。ここでは、行動経済学の営業での活用方法について紹介します。

行動経済学とは?

行動経済学は、心理学と経済学の視点を掛け合わせて人間の経済面での行動を分析する学問です。人は購買行動をするとき、必ずしも合理的には動きません。その合理的ではない人間の行動に焦点をあてることで経済動向を分析しています。新しい学問分野のため信頼性に不安があるかもしれませんが、世界で有効性が認められており、ノーベル経済学賞を受賞した学者もいます。

経済学は、人間が合理的な意思決定によって行動したことを前提とした学問です。合理的な判断をする人間を基準に経済を分析してきました。一方、行動経済学では、人間は非合理的な判断で行動することがあるという考えを前提にしています。たとえば、セールにつられて必要がないものまで買ってしまったり、食事をするために写真映えするお店を選んだりといったことです。

行動経済学を活用すると、一見不合理に見える人間の購買行動を掴み、自社の商品・サービスの購入に誘導することも可能です。合理的な判断基準だけで考えていると、非合理的な動機にアプローチできた競合他社に負けてしまいます。ユーザーの購買行動の心理を理解して、戦略に役立てるため、行動経済学が注目されているのです。

営業活動における行動経済学

行動経済学の理論は、営業活動に活かせるものが多くあります。ここでは、マーケティングや営業活動に活かせる理論の概要をいくつか紹介します。取り入れられるものを見つけて、上手く活用してみてください。

現状維持バイアス

現状維持バイアスとは、今持っている物や環境を手放すことに抵抗を感じる心理効果のことです。人は、これから得ることへの期待より、すでに手にしていることを失う恐怖の方が強く感じます。

営業活動で考えると2つのことが言えます。ひとつは、現在使用しているものを手放して新しいものを購入することに対する抵抗感です。もうひとつは、一度手渡してしまえば、それを手放すことが惜しくなるという視点があります。

この2つの心理に寄り添ったセールス手法が「無料お試し期間」「返品返金保証」です。一度使って前の物がよければ返品できる、つまり今持っているものを手放す恐怖を軽減させられるため、申し込みのハードルが下がります。そして、お試しのつもりで商品を手にしたユーザーには、その商品を手放すことが惜しいという心理が働きそのまま使い続けることにつながります。

プロスペクト理論

ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カールマンとエイモス・トベルスキーが発表した理論がプロスペクト理論です。人間が損失を極端に嫌うという心理のこと。人は損得が絡むと合理的な判断をしない場合があるという理論です。

この理論を応用したマーケティング手法が、期間限定割引や期限のあるポイントサービスです。期限を過ぎると損をするという心理が働き、今は必要ないものでも「今のうちに購入しておこう」と、商品購入に前向きになります。

松竹梅の法則

松竹梅の法則は、価格を三段階用意すると真ん中の「竹」が売れやすいという法則のことです。売りたい商品を「竹」、売れなくてもいい高価商品「松」、低価格商品「梅」の3つのラインナップにすると「竹」に設定した商品が売れやすくなります。一般的に「松」は「竹」の1.5倍の価格にすると良いとされています。そして、竹と梅の価格差はわずかにするのがコツです。

この法則は、人の「見栄」という心理に働きかけています。できれば安い方が良いと考えている人も、一番安いものより少しだけプラスすれば手に入るのであれば、見栄をはって真ん中のものを選択しやすいのです。高くても良いものが欲しい人は「松」を選択してくれます。

ただし、若者は見栄を張らない傾向があることや選択肢を提示することで選べずに購入を回避することにもつながるため、松竹梅の法則の用途には向き不向きがあります。飲食店など、入店したからには必ずどれかを選択するというタイプのビジネスに向いている方法です。

ウィンザー効果

ウィンザー効果は、本人から直接言われたことより、第三者から間接的に言われたことに信頼性が増すという心理効果です。「うちの商品はこんなメリットがあります」とその企業の人が言うより、その企業と関係のない第三者が「この商品使ったらこんないいことがあったよ」と伝えた方が信用できます。

ウィンザー効果を営業に活用したのが、「レビュー」「口コミ」です。Amazonが通信販売で大きな売り上げを上げているのは、レビュー数が多いことにあると言われています。

ネット上のレビューより強いのは、知人からの口コミです。紹介や口コミを発生させる仕掛けをすると、ウィンザー効果を最大限活用できます。

心理的リアクタンス

「禁止されると逆にその行動をしたくなる」という心理に代表されるのが心理的リアクタンスです。特定の自由を侵害されたときに喚起される自由回復欲求のこと。何かを禁止され自由を奪われると、自由の感覚を取り戻すために禁止された行動とは逆の行為を行ってしまうのです。

マーケティングの手法では、「もし〇〇なら買わないでください」「もし××なら読まないでください」といった形で使われています。「買わないで」と言われたから買うという人はあまりいませんが、気になるので先を読んでしまいます。LPを読ませたいときに効果を発揮する理論です。

ライフデザインパートナーズ 浅川氏の企業向け営業研修を受けてみませんか?

行動経済学は、営業成果を上げるための大きなヒントをくれます。現状維持バイアスやプロスペクト理論、ウィンザー効果などを紹介しましたが、他にも活用できる理論があります。理論の名称を知らなくても、自然と使っている営業ノウハウもあるでしょう。しかし、理論として学ぶことで、使い方に納得感が生まれ、応用もきくようになります。

ライフデザインパートナーズでは、こうした理論的な営業ノウハウを伝えています。効率的に営業力を高めたいと考えているなら、ライフデザインパートナーズ 浅川氏の企業向け営業研修を受けてみてはいかがでしょうか?

監修
ライフデザイン
パートナーズ
代表浅川 智仁氏
 
代表浅川 智仁

「売れない営業マンを無くしたい」96.7%の高い再現性を誇る営業研修を実施

会社員向けの能力開発プログラムの電話営業マン時代、入社からたった2年で3億円を売上げた実績を持つ浅川氏。現在はライフデザインパートナーズ株式会社を設立し、過去の経験を基にした再現性の高い営業研修を行っています

     

大手・中小企業に関わらず「また受けたい」と言わせる営業研修。受講した営業チームは、高級国産車店舗売上1位(※1)、3年後定着率0%から100%を達成(※2)するなど、多くの成果向上に貢献しています。

(※1)参照元:ライフデザインパートナーズ公式HP(https://www.life-design-partners.co.jp/voice/20180419-70/)
(※2)参照元:浅川智仁氏オフィシャル公式HPプロモーション動画より(https://www.asakawa-tomohito.jp/)