飛び込み営業は「運次第」と思っている方もいるかもしれませんが、きちんとロープレを行うことで、成功率を高めることが可能です。
大切なのは、訪問後短時間で「この人ともっと話をしたいな」「魅力のある人だな」と思わせ、話を聞いてもらうこと。
ここでは、より効果的な飛び込み営業ロープレについて解説します。
【監修】ライフデザインパートナーズ株式会社 浅川智仁氏
企業・個人向けに営業研修を提供する「ライフデザインパートナーズ株式会社」代表取締役。 20代の頃、未経験からテレアポ営業の世界に飛び込み、平均単価120万円社会人向けオーディオ学習教材を販売。入社2年3ヶ月で年間個人売上第1位を獲得、その後支店責任者を務める。売上総額3億5千万円以上に上り詰めた実績を誇っています。
現在は、これまでの経験を基に「ライフデザインパートナーズ株式会社」にて営業研修の講師を務める。96.7%の高い再現性を誇るメソッドを伝授し、数々の営業チームを業績アップに導いています。
(研修終了後のアンケートにて、受講生のうち96.7%が再現できると回答)
営業先や訪問先で使用できるトークスクリプトを用意しましょう。これは、相手とのコミュニケーションの際に使用する、事前に準備した台本や基本的な会話のパターンをまとめたものです。飛び込み営業をした際にも、事前に用意しておくことによって自信を持って会話を進め、情報を伝えられるでしょう。
トークスクリプトを用意すると、事前に綿密に考えた内容を伝えられるようになるため、効果的なアプローチが行えます。さらに、緊張などを軽減でき、営業に自信を持って取り組めるようになります。加えて、伝えたい内容をまとめておくことで、伝える内容に一貫性が出るためブランディング効果も期待できるといった面もあります。
訪問前に事前に営業を行う先の企業情報をリサーチしておきましょう。たとえば業界のことや事業内容、取引履歴、代表者や担当者の名前などを確認して、訪問時のコミュニケーションの精度を高めます。
企業情報をあらかじめチエックすることにより、訪問時に信頼を得やすくなったり説得力が増したりするメリットがあります。提案を行う場合でも、相手の背景やニーズを理解してそれに合った提案を行った方が、顧客もその内容に興味を持ち、真剣に対話に応じてくれる可能性が高まるでしょう。
ただし、相手の企業情報をチェックする場合には、公開されている情報・企業の公式サイトなど、情報源には注意することが大切です。また、情報は常に更新されますので、訪問する直前に情報の確認を行うようにしてください。
飛び込み営業を行う場合には、顧客に与える第一印象が非常に重要なポイントとなるため、身だしなみには最新の注意を払いましょう。身だしなみを整えておくことで、相手に良い印象を与えられます。
身だしなみを整えるにあたっては、清潔で整った服装を選ぶ点に加えて、訪問先の企業文化に合わせた服装を心がけるのもポイントです。また、ヘアスタイルも清潔感が感じられるように整えておきましょう。過度な装飾や香水は避けるほか、相手に不快感を与えないように注意することが大切です。
飛び込み営業の際、コミュニケーションをスムーズに進めるために雑談のネタを持っておくこともポイントのひとつといえます。事前に共通の話題や興味が持てそうなトピックについて調査し、用意しておきましょう。
雑談で共通の話題を見つけられれば、親近感を生み出して信頼関係の構築が行いやすくなります。さらに、相手の興味を引くことで無言の時間が生まれるのを防ぎ、会話をスムーズに進められます。
雑談のトピックとしては業界の話題や企業情報の他、趣味や興味、季節のイベントなどが挙げられます。また、過度にプライバシーに踏み込むことがないように注意しながら会話を進めるのも大切なポイントです。
まず、「今日はこのエリアのお客さまにご案内をしておりまして」「このあたりを担当しているので、ご挨拶に伺いました」など、なぜここに来たのか(大義名分)を話しましょう。
興味を持たせたら、とにかく相手の褒めポイントを見つけます。人間の深層心理には「褒められたい・認められたい・役に立ちたい」という「3匹のタイ」がいます。人は「褒めて」「認めて」くれる人に対して、初めて「役に立ちたいな」と思うのです。「すごく素敵なお庭ですね!」など、気分を上げられる褒めポイントを見つけましょう。
特に意識して欲しいのは、「何を言うか」よりも「どのように言うか」。何件も飛び込み営業をすると疲れてくるかもしれませんが、「こんにちは!」と生き生きした声で挨拶された方が気持ち良いですよね。声のトーンや表情は、インターフォンを押す前にしっかり整えておきましょう。
ラポールとは、「心が通い合う関係」という意味の心理学用語です。お客さまにモノを買ってもらうためには、まず自己紹介で相手を惹きつけ、ラポールを構築して「もっと話を聞きたい」と思わせ、クローズドクエスチョンで流れるようにアポを取ることが重要です。
以下では、気をつけるべき3つのポイントをご紹介します。
営業でモノを買ってもらうためには、自己紹介で相手を惹きつけることが必要です。
「人を惹きつける自己紹介」は、「現在→過去→未来→現在」の4つのステップを踏むのが効果的です。なおかつ、「過去」の部分に自分の失敗や逆境のストーリーを、「未来」の部分に夢や使命を入れると、「魅力的な人だな」「会って話がしたいな」と思ってもらいやすくなります。 ただし、飛び込み営業の場合は、長くなりすぎないことが大切。要点を絞って自己紹介をして、相手の心を開きましょう。
モノが溢れる現代、「何を買うか」ではなく「誰から買うか」が重視される時代になりました。営業でも、お客さまの信頼を勝ち取り、「あの人が言うなら間違いない」と思わせることが大切です。
ラポールとは、「心が通い合う関係」という意味の心理学用語のこと。飛び込み営業で手っ取り早くラポールを築くためには、「とにかく過去を共有する」のがおすすめです。
人は、自分と共通点がある人のことを好みます。趣味や好きなタレント、好きな食べ物でもOKですが、特に「共通の過去」はより強い印象を残すもの。共通点を見つけるためにも、相手に自分の過去を積極的に話してみましょう。
自分の話だけではなく、相づちも重要なポイントです。「相手の目を見る」こと、「相手の名前を呼ぶ」ことと合わせて、テンポ良く「聞いてくれているな」という相づちを打つことで、自然と心のひもが緩みます。
特におすすめなのが、相づちの「さしすそそ」。
会話の中で積極的に使い、相手の心のひもを解いていきましょう。
いよいよ成約につなげるための準備です。1度目の訪問で成約できれば問題ありませんが、今日決めるのは難しそうという場合には、2度目の訪問日を決めましょう。
そこで重要なのが、「クローズドクエスチョン」。「いつがよろしいですか?」と聞いてしまったら、断る選択肢を与えているだけです。
「平日と土日でしたら、どちらがよろしいですか?」「今週の金曜と来週の金曜でしたら、どちらがご都合よろしいですか?」など、アポ取りの時は、必ず2つの選択肢から選ばせるようにしてください。そうすることで、かなりの確率でアポイントを取ることができます。
ロープレを何度も繰り返し行うことで、営業力を向上させることができます。
大切なのは、達成すべきポイントを切り分けること。もちろん、飛び込み営業で成約まで繋げられればベストですが、まずは信頼関係構築までを目的として、各ポイントを意識しながら繰り返しロープレを行いましょう。そうすることで、再現性の高いロープレにすることができます。
浅川氏の研修では、この他にも、商談時のプレゼン方法や売れるヒアリング術など、数多くのノウハウを伝授しています。「部下に研修を受けさせたい」とお考えの方は、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。
「売れない営業マンを無くしたい」96.7%の高い再現性を誇る営業研修を実施
会社員向けの能力開発プログラムの電話営業マン時代、入社からたった2年で3億円を売上げた実績を持つ浅川氏。現在はライフデザインパートナーズ株式会社を設立し、過去の経験を基にした再現性の高い営業研修を行っています。
大手・中小企業に関わらず「また受けたい」と言わせる営業研修。受講した営業チームは、高級国産車店舗売上1位(※1)、3年後定着率0%から100%を達成(※2)するなど、多くの成果向上に貢献しています。