セルフマネジメントは、直訳すると「自己管理」となります。「管理」は「良い状態を維持するために取り仕切る」という意味を持つ言葉であるため、セルフマネジメントは心身の状態をより良い状態で安定させ、能力を発揮するための取り組みと考えることができます。
こちらの記事では、セルフマネジメントが注目される背景や必要な要素、期待できる効果などを紹介しています。
近年セルフマネジメントが注目されている背景を解説していきます。なぜここまでセルフマネジメントに注目が集まっているのかを見ていきましょう。
新型コロナウイルスの流行などを背景として、リモートワークやテレワークを導入している企業が多くなりました。リモートワークは、オフィスにいる時のように上司や同僚など他社の干渉を受けません。また、在宅勤務の場合は、日常的に生活している空間で働くため、なかなか集中できないと感じる方も多いはずです。
このような面から、リモートワークやテレワークはセルフマネジメント能力が求められる働き方であるといえるでしょう。
近年、働き手不足や働き方改革などの影響から、限られた時間で成果をあげることが求められています。そして、各社員の生産性が向上することで、組織全体の成果につながりやすいといえるでしょう。そのためにも、主体的に段取り・時間管理をしつつ仕事を進められるセルフマネジメント能力が必要となります。
企業におけるDX化による業務の自動化・省略化といったビジネス環境の変化も影響しています。現在は自動化などにより定型作業やルーティーンワークは減る傾向にあり、その分業務そのものを自身で企画する力や柔軟な考えが求められる企画的な作業が増えています。
このように、正解がない中で迅速な意思決定を求められる場面が増えたことで、精神的な負担を感じるケースもあるでしょう。ストレスを溜め込まないよう、セルフマネジメントを通じ心身の健康を保つことが大切になっています。
セルフマネジメントに必要なものとしては、下記のような要素が挙げられます。
ストレスを溜め込まないように自分でケアをする、十分な休息により体調を整えるなど、いつも心身を健やかな状態に維持できるように取り組むことが求められます。メンタルヘルスケア(セルフケア)に取り組むことで、安定したパフォーマンスや良い人間関係の構築につながっていくでしょう。
プレッシャーや逆境に直面した場合にも柔軟に対応することで、大きなストレスがかかってもすぐに立ち直る姿勢をレジリエンスと呼んでいます。その時々の状況を前向きに捉え、精神の安定を図る自己管理方法です。
人は生きていく中で苛立ちや怒りを感じることがありますが、このような感情をコントロールすることをアンガーマネジメントといいます。アンガーマネジメントに取り組むことで、苛立ち・怒りなどの感情を周りにぶつけずに済むため、円滑な人間関係の構築につながっていくでしょう。
マインドフルネスとは、目の前の現状のみに意識を向けて雑念を払い、集中力を高めることを目的とした瞑想方法のことです。ストレスや不安から解放され、内省することで自らの感情をコントロールしていく効果が期待できる方法です。
自分が向かっていきたい理想の将来像に向けた、職業上の人生設計をキャリアデザインと呼びます。このことにより、高いモチベーションをもって積極的に自己実現に取り組んでいけるでしょう。
セルフマネジメント能力を高めていくために、取り入れていきたい方法をご紹介します。
目指すべき方向や目的をはっきりとさせるためにも、自分の役割や期待されている成果を理解しましょう。この部分がはっきりすることによって、達成に向けて自分を律するという気持ちが起こります。
そのためには、自分が担当している業務の役割や、組織の中の存在意義を考えた上で、上司とミーティングすることによって、どのような成果を期待されているかを話し合ってみてください。
上司とのミーティングによって目指す方向がはっきりしたら、それを日々のタスクに落とし込むことがポイントです。ここでは、タスクを一気に行おうとするのではなく、まずはタスクを細かく分解し、小さく明確なタスクにするところから取り組みましょう。この作業により、どのタスクから手をつければいいかがはっきりし、「後回しにしよう」という気持ちを抑えられます。
セルフマネジメント能力を高めるには、「自分のパフォーマンスが落ちるタイミング」の把握も大切です。日々の業務を振り返ることで、「イライラすることが起こると仕事が手につかなくなる」などのように、改善すべきポイントが見えてきます。どのような傾向があるのかを分析した上で、どう克服したら良いか改善策を検討していきましょう。
アクションプランを立てたとしても、つい楽な方に流れてしまいがち。この状態を防ぐには、誘惑に負けない仕組みづくりを行うことが重要になってきます。例えば、仕事中についスマートフォンを触ってしまう人は、通知音が鳴らないようにする、離れた場所に置くようにするなどの対策が考えられます。
もし心身の調子が悪い場合には、パフォーマンスに影響しますので、日常的なケアも大事です。睡眠や食事など、生活していく上で悪い習慣がないかを見直してみてください。
またメンタル面においては、精神状態をまめにセルフチェックしてみると良いでしょう。もし、調子が悪いと感じた場合には、無理をせず休息をとることも大切です。
人によってセルフマネジメントの得意・不得意があります。それぞれどのような特徴があるのかを見ていく事にしましょう。
セルフマネジメントが苦手な人の特徴として、例えば「こだわりが強い・完璧主義」「ストレス解消が苦手」「自分でタスクを抱えてしまう」などが挙げられます。
例えば、こだわりが強く完璧主義の人は、自分に対して厳しい傾向があり、自分の考えに固執する面があります。このような人は冷静に状況を見ることが難しく、セルフマネジメントがうまく行えない可能性があります。また、自分でタスクを抱えてしまうと、心身ともに消耗してしまいますし、負担をうまくコントロールできないため、本来のパフォーマンスが発揮できないといった状況も考えられます。
セルフマネジメントにうまく取り組める人は、「タスクに優先順位をつけられる」「ストレス解消がうまくできる」「ポジティグ思考」などの特徴が挙げられます。
タスクに優先順位がつけられると、慌ててタスクに取り組まずに済み、余裕を持った行動ができます。また、ストレス解消がうまくできれば心身にゆとりが生まれ、積極的に仕事に取り組めるようになるでしょう。そして、ポジティブ思考を持っている人の場合、トラブルやプレッシャーも前向きに捉えられるため、精神的なバランスを保ちやすくなります。
セルフマネジメントを取り入れる事によって、さまざまな効果が期待できます。
セルフマネジメントに取り組めると、自分自身に余計な負担がかからないように意識できるようになります。そうなると業務が重なった場合にも優先順位をつけて取り組めるため効率的に業務に対応でき、生産性の向上にも繋げられます。
社員ひとりひとりがセルフマネジメントに取り組み、心身を健全に保てれば、それぞれの気分に左右されない冷静な判断を行えるようになります。そうなると客観的で公平な判断・発言につながっていくため、職場全体のコミュニケーションも円滑になるでしょう。良好な人間関係につながっていくというメリットも期待できます。
常に安定した心身状態をキープできれば、仕事に専念しやすくなるでしょう。このような状態になれば、仕事に取り組む上で前向きに取り組んだり、仕事へのやりがいを見出したりできるようになります。結果として、モチベーションの向上につながると考えられます。
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