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【強いチームを作る】営業マネジメントの方法とは

ここでは、営業マネジメントの5つの役割と、営業マネジメント力を高めるために必要な取り組みについて解説します。

営業マネジメントの定義と業務内容

営業マネジメントとは、営業マン一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮し、営業目標を達成できるようにサポートすることです。さらに、企業の売上目標から逆算した営業目標を立て、目標達成に向けた働きかけをする必要があります。

そのためには、短期的・長期的な目線が必要となり、ノウハウの共有からチームメンバーのモチベーション管理まで、幅広い視野が必要です。
以下では、営業マネジメントに必要な業務を紹介します。

目標の設定・管理

営業マンの役割は、目標を達成することです。目標もなくやみくもに営業活動を続けてもパフォーマンスが上がりません。適切な目標を立てるだけでなく、達成するための計画を立案することが大切です。
適切な目標とは、「根拠や納得感があるもの」「少し背伸びしたもの」。現実とかけ離れた根拠のない目標はモチベーションが下がる要因となります。

目標設定は、年次、半期、クオーター、月次、週次、日次など、短期~長期まで細かく行いましょう。もちろん自身だけでなく、チームメンバー自身に目標を立てさせる必要があります。うまく目標を立てられないメンバーに対しては、マネージャーがしっかりサポートを行いましょう

モチベーション・行動管理

メンバーのモチベーションが下がらないように管理することも、大切な役割です。一人ひとりとコミュニケーションを取り、課題を見極め、適切なアドバイスを行いましょう。 達成すべき目標はありますが、人によって性格はもちろん、仕事への関わり方、成長のスピードが異なるため、画一的でなく一人ひとり個別のアドバイスを行うのがおすすめです。

マネージャー自身の経験談や持論を押し付けても、メンバーの心は動きません。また、「努力が足りない」「他の営業マンを見習うように」といった指導では、かえってモチベーションの低下を招く可能性があるので注意が必要です。

案件管理

案件管理とは、商談が進行している案件について、契約までの進捗状況を管理することです。追客がしっかりできているか、タイミングは適切か、必要なフォローができているかなどをしっかりチェックしましょう。

進捗が停滞していたり、同じ状況で失注につながっているメンバーがいた場合は、しっかりフィードバックを行う必要があります。効果的なヒアリングの方法や刺さるプレゼンのコツなど、メンバーがスキルを身につけられるようにサポートを行ってあげてください。

営業戦略を練る

営業戦略を練ることも、重要な役割です。リスト作成件数、毎日の架電数、アポ取得数、成約率など、営業マンの行動を数値化し、データを元に戦略を立てましょう

この際に注意すべきポイントは、シンプルでわかりやすいものにすることです。営業戦略や目標数値は関係者全体で共有するものです。行動指標を明確にするためにも、わかりやすい数字の提示が必要です。

営業環境を整える

パフォーマンスを発揮しやすい環境をつくりましょう。チームの雰囲気は、メンバーのモチベーションに直結します。メンバーとコミュニケーションを積極的にとったり、業務を効率的に進めるためのツールを導入するなど、常にメンバーが営業に集中できる環境を作る必要があります

他にも人間関係に目を向けたりメンバーの相談に対応するなど、チーム全体ではなく個々のマネジメントも必要です。

営業マネジメントに求められるスキルとは?

営業マネジメントは、企業の売上に直結する大事な業務です。営業マネジメントに求められる6つのスキルを紹介します。

全体を俯瞰する力

営業活動自体は個人で動くことが多いかもしれません。しかし、マネジメントの立場では、営業全体とチームとして俯瞰する力が必要です。一人ひとりが効率的に活動するためには、チーム全体としての目標達成までのスケジュールを管理して、目標に沿って行動できているかを確認する必要があります。現状を分析して、置かれている状況を的確に把握し、場合によっては軌道修正を指示することも重要です。感情や勘ではなく、客観的に判断する力が求められます。営業マネジメントでは、個人が安心して力を発揮できるように、全体をフォローすることが大切です。

コミュニケーション能力

営業マネジメントで必須のスキルはコミュニケーション能力です。管理業務はどの分野でもコミュニケーションスキルが必要ですが、特に営業では、メンバーのモチベーションが業績にも直結するため、信頼関係を構築することが求められています。コミュニケーションを通して、メンバーの強みや弱みといった特性を把握することも大切です。メンバーごとに問題点や課題に対する適切な指導を行うためには、コミュニケーションが欠かせません。マネージャーが命令や指示を出すという方法ではなく、メンバーの自主性を尊重しましょう。本人の価値観も理解した上で、道筋を示すスキルが必要です。

行動力

マネージャーはリーダーシップが求められます。目標に向けて組織を牽引する能力がリーダーシップです。リーダーシップは、行動力によって発揮されます。企業や組織のビジョンをメンバーに伝え、そのビジョンを実現するための行動を率先して行っていく強い力を持つマネージャーがいると、チームの活気となり、成績にもつながるでしょう。営業マネージャーの行動力が乏しいと、メンバーの不信感につながります。チームがまとまらず、目標に向かって協力体制を構築することも難しくなります。マネージャーが強いビジョンと意志を持ち、メンバーを引っ張っていく行動力が必要です。

決断力

営業マネージャーは、日々、決断の連続です。小さな決断から上司に相談すべき大きな決断まで様々なものがあります。まずは自分で決断するか、上司に相談するかの切り分けを決断しなければいけません。このように、営業マネージャーには決断力も求められます。小さな決断でも、間違い続けるとチームの方向性がズレてきてしまいます。決断に時間がかかると営業活動のスピード感も損ないます。小さな決断ほど、的確にスピーディに判断することが重要です。もし間違えた場合でも、早めに軌道修正をするという決断が必要となります。

客観的な分析力

組織の課題や進徳状況、置かれている立場などを的確に把握する分析力も、営業マネージャーに求められるスキルです。主観ではなく客観的な分析が求められます。判断材料には、データや数値を活用することが大切です。経験に頼った判断では、上手くいった場合でもなぜ成功したのか分からないため、再現性がありません。失敗した場合は何が原因か分かりません。継続的に成果を出し続けるには、誰が見ても分かる客観的な分析が必要です。分析力がないと、本来能力のあるメンバーが伸び悩むことになりかねません。能力を発揮できる仕事の選定もマネージャーの重要な仕事です。

課題解決力

決断力にも通じることですが、課題解決力もまた営業マネージャーに求められるスキルです。問題解決に時間がかかってしまうと、本来小さな問題だったことが大きな問題になってしまうこともあります。スピーディに的確な解決案を出し、行動することが大切です。スピードを意識して課題に取り組むことで、解決力の幅を広げることにもつながります。また状況に応じて、上司に相談する必要もあります。自分だけで正しい判断ができるか不安なときにアドバイスをもらえることも、課題解決力のひとつです。ときには部下からアドバイスをもらうことも良い解決につながることがあります。

マネージャーが一番悩むのは「部下の育成」

現役のマネージャーの悩み
画像引用元:大塚商会公式HP
(https://www.otsuka-shokai.co.jp/solution/purpose/training/management/)

部下とのコミュニケーション、スキルの向上に悩み

マネージャーには、判断力やコミュニケーション力、全体を見る力など、高いスキルが求められています。大塚商会のインターネット調査(※)によると、中でもマネージャーの多くが悩んでいるのが「チームメンバーの管理・育成」。自分自身でコントロールできない分野だからこそ、苦労が大きいことがうかがえます。

簡単なことではありませんが、部下の育成に必要なことは「チームメンバーを信じること」

以下では、営業マネジメント能力を高めるために意識するべきことについて、ライフデザインパートナーズ株式会社 代表取締役兼営業研修の講師を務める浅川氏に伺いました。

(※)参照元:大塚商会公式HP(https://www.otsuka-shokai.co.jp/solution/purpose/training/management/)

アンケート名:「マネージャー100人に聞きました! チームマネジメントで苦労していること」
調査期間:2017年9月4日~9月12日
調査対象:全国の管理職経験のある30歳~59歳男女114名
調査機関:大塚商会によるインターネット調査

営業マネジメントで注意したいポイント

目標を複雑にしすぎない

メンバー全員がしっかりと理解できるようにするためにも、目標はシンプルにすることがポイントです。優秀な組織であったとしても、トップが立てた目標をメンバー全員が100%理解することは難しいです。そのため複雑な目標を立ててしまうと、目標が理解できず、達成が難しくなる可能性も。ひとつひとつの目標を達成していくためにも、「シンプル」を念頭に置きつつ目標を立てていくようにしてください。

各々のスタッフに関心を寄せる

それぞれのスタッフの動向に関心を寄せ、変化をできるだけ見逃さないように意識することも大切です。もしメンバーが「自分は気にかけてもらえていない」と感じてしまうと、モチベーション低下につながりかねません。ひとりひとりのメンバーに関心を寄せることもポイントとなってきますので、どのくらいの人員であれば管理が可能かという点も把握しておきましょう。

多くの商品を売らせようとしない

多くの商品を売らせようとすると、メンバーに大きなプレッシャーを与えてしまいます。営業職であれば、「結果を出したい」と考えながら仕事に取り組んでおり、ひとりひとりが商品を売るために試行錯誤しています。

さらに、多くの商品を一度に売らせるようとすると結果が分散してしまう可能性があるため、1つずつでもしっかりと結果を出せるような環境づくりを行っていくことが大切です。メンバーにとっても、「商品を売るために努力していることを理解してもらえている」という点が実感できれば、モチベーションの向上にもつながります。

自分の営業を優先しすぎない

マネジメントを行う上では、マネージャーは自分の営業を優先しすぎないように注意する必要があります。大切なのは、自分を戦力と見なさないこと。理想は、マネージャー自身が現場に出なくてもチームが目標を達成できることです。

売り上げ目標を達成するためには、マネージャーはメンバーが働きやすい環境を整えることが求められます。それぞれの能力を見極めつつ進捗を確認し、必要な場合にアドバイスやサポートを提供してそれぞれのスキルを伸ばしていくことを意識してください。

インセンティブの与え方に注意する

目標を達成することでインセンティブを与える場合には、その方法に注意する必要があります。ポイントは「金銭的な面にこだわりすぎない」という点です。金銭的なインセンティブは、結果が出ている時には効果的である反面、結果が出ていない場合にはモチベーションの維持が難しくなります。また、メンバーが大きなプレッシャーを感じることもあります。

以上の点から、モチベーションを継続するためにも「高い目標を達成できた」「責任ある仕事を任せてもらえている」といったように、心理的な満足が感じられる方法を重視することがおすすめです。

場当たり的な指導をしない

業務に追われている中では、結果だけを見て場当たり的な指導をしないように注意することも大切です。その結果にたどり着くまでにはそれぞれのプロセスがあることを考慮して、状況を十分に分析した上での指導を行ってください。

もし状況の分析をせずに場当たり的な指導を行った場合には課題の把握などもできていないと考えられますので、問題解決に結びつかないことに加えて、メンバーのモチベーション低下にもつながる可能性が考えられます。

トップセールスマンは管理職が適正とは限らない

営業マンとしての適正と、管理職としての適性は異なることを理解しておきましょう。もし、管理職としての適性がない営業マンが管理職として昇進してしまうと、チーム全体のパフォーマンスが下がる可能性もあります。ただ、中には営業力とマネジメント力を兼ね備えている人材もいますので、売上の数字だけではなく、人間性や指導力なども考慮して管理職を選ぶことが非常に大切です。

営業研修の講師が語る!
営業マネジメント力を高めるために必要な取り組み事例とは

SUMMARY
ライフデザインパートナーズ 代表取締役浅川智仁氏
【監修】ライフデザインパートナーズ株式会社
代表取締役 浅川智仁氏
  • 営業研修会社「ライフデザインパートナーズ株式会社」代表取締役
  • iU 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授
  • 一般社団法人 日本財務経営協会 特別顧問

20代の頃、世界中で実績がある能力開発企業・エス・エス・アイにて、平均単価120万円社会人向けオーディオ学習教材を販売。入社2年3ヶ月で年間個人売上第1位を獲得、その後支店責任者を務める。売上総額は3億5千万円以上。

2010年 The Japan Times より「アジアを代表する次世代の経営者100人」に、営業コンサルタントとして唯一選出されるなど、各業界から注目されています。

代表作『お金と心を動かす会話術』(かんき出版)は4万部を突破中。BtoC企業向け研修を得意としており、営業研修を通して多くの営業課題を解決しています

参照元:浅川智仁氏オフィシャルsaitoサイト(https://www.asakawa-tomohito.jp/)

部下を信じる

目先の利益より営業マンの将来を考える

以前私が勤めていた企業で、組織改編があり、私がリーダーを務める第一営業部に第二営業部のメンバーが異動することになりました。 ただ、2つの部署はもともと扱う商材が違っており、異動してきた方は、これまで扱っていなかった商材をいくつも営業することになったんです。

するとメンバーの一人が「浅川さん、○○の教材にピッタリなお客さまがいるので、代わりに勧めてください」と声をかけてきました。 私も営業成績を管理する立場だったため、「わかりました」と引き受けていました。チーム・会社のためにも、その方が数字が上がるし良いだろうと思ったんです。

ですが、それが2回、3回と続いたとき、私は「もうやりません」と断りました。「こんなことしていたら、この先ずっと誰かに頼らなきゃ行けなくなるよ。この会社で営業マンとして食べていくなら、今自分の言葉で伝えなきゃダメですよ」「今からそのプログラムのレクチャーをとことんする、ロープレもするから、後は自分でやってください」と伝えたんです。

あえて失敗させることで学ばせる

もちろん、その方も最初は拙いトークでした。横で聞いていても、「あ〜、ここはこういうトークじゃないとダメなんだよな」と思いましたし、実際お断りされる毎日でした。 それでも彼は努力を続け、数ヶ月後全国で売り上げ第2位になりました。当然給与も変わったし、その後も長くその会社で活躍されていましたよ。

あえて失敗させる、経験させるというのは、私はすごく必要な愛情だと思います。挑戦する中で悔しい思いもするかもしれない。でもそれでも「やってて良かった」「こういう瞬間が営業の醍醐味なんだ」と感じてもらえるように導くのがマネージャーの仕事だと思っています。

部下に未来を見せる

最高の時が普通の時であると伝える

プレイングマネージャーをやっていたとき、私が大切にしていたのが月初の個別面談です。私が当日勤めていた会社では、毎月部下が変わります。 だからこそ、毎月月初の個人面談をし、どういうモチベーションなのか、営業成績はどのぐらいかを確認していました。
その時に、私がよく言っていたのが、「あなたがこの会社で仕事をしてきて、最高の数字を教えてください」という言葉。

最高の数字を言われたら、「私は、この数字があなたの普通だと思っています。それ以外は足をくじいている、風邪を引いている、そういう状態でマラソンを走っているんだと思ってください」と言っていました。そう言うことで、自己イメージを傷付けないようにしたんです。過去最高の数字を出せる人間だと自他ともに信じる、これが一番のモチベーションアップにつながります。

リアルな夢を見せる

「稼ぎたい!」という部下には、私の給与明細を見せていました(笑)。当時の会社は、今月の売り上げが来月の給料になる仕組みだったんです。そのため給与明細を見せて、「この数字出すと給与明細こうなるよ」と伝えると、「夢ありますね~!」って目を輝かせていました。

「じゃあこれだけの給料が25日に振り込まれたら、来月何します?」って聞くと、「確実にスーツ買います」「嫁と子ども連れてどこそこのレストラン行く」って、色々夢を話してくれるんですよね。 具体的な数字ほどリアリティがあるので、あなたの夢は実現できるという未来を見せることで、「稼ぎたい!」という人の背中を後押ししていました。

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監修
ライフデザイン
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(※1)参照元:ライフデザインパートナーズ公式HP(https://www.life-design-partners.co.jp/voice/20180419-70/)
(※2)参照元:浅川智仁氏オフィシャル公式HPプロモーション動画より(https://www.asakawa-tomohito.jp/)